Perfume全国ツアー


6月1日、横浜BLITZでPerfume「GAME」ツアーを見てきました。最終日にふさわしい、すばらしく充実した楽しいステージでした。

1700人の観客の心をがっちりつかんで、小さなライブハウスと同じような一体感と熱気を作り上げる、3人の歌とダンスとトークの力。今さらながら、これは本当にすごい。昨年末のZepp東京カウントダウンライブではステージの広さを持て余し気味だったものの、今ではすっかり空間を使いこなし、むしろ貫録さえ感じさせるパフォーマンスでした。Perfumeは成長してますね。どんどん変わっている。

そのいっぽうで変わらないこともあって、たとえば長くてゆるいMC。話すほうも聞くほうも着地点が見えないまま迷走するフリートークはPerfumeライブの名物で、これを楽しみにしているファンも多いと思います。しかし今回は、いつものトークに、グッズの紹介を兼ねた連続寸劇のコーナー(ツアー10公演分のあらすじも含めて全11話という超絶に長い小芝居)が加わったことで、MCのボリュームはさらに大幅増量。3時間弱のライブで、実に1時間以上がMCという状態でした。

なにしろ芸達者な彼女たちなので、MCはそれはもう面白い。面白いけれど…長い!! もちろん、Perfumeの力量からすれば、MCを必要最小限に抑え、歌とダンスをテンポ良くつないで手堅く盛り上げるステージを作ることも簡単にできたはずです。にもかかわらず、ミュージシャンのライブとしては明らかにバランスのおかしい寸劇のパートを、あえて入れたのはなぜか? 
 
その理由はたぶん単純で、Perfumeは「Perfume自身がそのとき一番楽しいこと」をやりたかったからなんでしょう。

「Perfumeが楽しくなければ、お客さんも楽しくないけん」
NHKで放送されたカウントダウンライブのレポートには、ステージの袖でこう気合いを入れる3人の姿がおさめられていました。その言葉通り、3人は大晦日の夜に素晴らしいライブを見せてくれました。

なによりもまず、自分たちが楽しいステージをやりたい。そんなPerfumeを好きになって楽しんでほしい。ときどき微妙なことにもなるけど、それも込みで丸ごとよろしく! 今回のツアーに限らず、Perfumeのライブからは、こうした覚悟というか、ファンへの切実なお願いの気持ちのようなものが伝わってきます。

ライブに集まったファンの好意を信じているからこそ、Perfumeは全力で好きなことができる。またファンもそれを「好きにやっていいよ全部OKだから」と受けとめる。両者のそんな関係が、Perfumeのライブに独特の幸せな空気を生み出しているのではないか。フロアの空調ですっかり冷え切った汗だくTシャツのすそをつまみ、延々と続く3人の会話を見守るファンの、まるで温泉につかっているかのような幸せ全開の笑顔を見て、そんなことを思いました。

中田ヤスタカが手がける強力なトラックと、鍛え上げられた3人のパフォーマンス。興味のなかった人も思わず引き込まれる上質なエンターテイメントとして、アイドルとしては異色の間口の広さを持つPerfumeのライブ。「このクオリティはもはやアイドルではない。アーティストと呼ぶべきだ」などと言う人もいます。しかしPerfumeのライブの核を支えているのは、実は「好きだから全部OK!」という、きわめてアイドル的な暗黙の了解なのかもしれません。

Posted: 金 - 6月 6, 2008 at 07:53 午後          


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