千葉県立小金高校、制服を再び導入へ


千葉県松戸市の県立小金高校(堀誠校長)が、志願者離れに歯止めをかけようと、これまで認めていた私服通学を廃止し、制服着用に切り替える。
2011年度の新入生から導入する。近年、特に女子生徒の間で「制服人気」が高まっていることを踏まえたもので、学校改革の一環として方針を打ち出した。Yahoo!ニュース

小金高校は、千葉県の第2学区に属する進学校。東葛地区では、柏市の東葛飾高校に次ぐ偏差値をキープしてきました。しかし最近は、めっきり不人気。そこで受験倍率の低下を食い止めるために、一度廃止した制服を再び制定することになった、というニュースです。

小金高校で服装が自由化されたのは、1993年度。それまでの制服は、男子は黒の詰め襟学生服。女子は四角い襟ぐりのジャンパースカートに、ダブル6ボタンのブレザー。女子は夏冬ともに、ネクタイやリボンの指定はなし。いかにも公立の進学校らしい、紺サージのシンプルな制服でした。

小金高校が制服を廃止するまで、県内唯一の私服校だったのが、東葛飾高校です。一部の都立高校と同じように、'60年代末から'70代初めの高校紛争の際に、生徒たちの手で制服廃止が決定。以来現在まで、私服通学が「伝統」となっています。

高校紛争当時、学校側が定めた制服は、運動にとって非常にわかりやすい標的になりました。そして自由な服装は、誰の目にも見える「勝ち取った自由」として、当時の理想と熱気を後輩に伝えるシンボルとなっていきます。

高校紛争そのものに対する評価はさておき、かつて紛争を経験した多くの学校には、今でも自治の気風が色濃く残っています。強力な生徒会を持つ東葛飾高校も、そのひとつ。県内トップクラスの進学校という実績だけでなく、こうした校風に魅力を感じる受験生もいることでしょう。

いっぽう小金高校の制服廃止は、紛争の時代から20年以上あとのこと。廃止に際しては、やはり生徒たちの積極的な活動があったようですが、その活動の成果は10数年で失われることになりました。

高校紛争という背景を持たずに制服廃止が実現したものの、「女子は制服が好きだから」という理由で、再び制服に袖を通すことになった小金高校。東葛飾高校と服装の自由は一緒でも、その「自由」を手にするまでのプロセスの違いが、こうした結果を生んだのでしょうか。かつて制服廃止に関わった小金高校OBが、この決定を知って何を思うか、気になるところです。

そして、もちろん新しい制服も気になります。決定には在校生も関わるようですが、はたしてどんなデザインになるのか? 制服メーカーイチ押しの「進学校らしさを重視した渋めの色とデザイン」でいきたい学校と、あくまで明るい柄のスカートにこだわる女子生徒。そして「面倒くさいから普通の学ランでいいよ」と投げやり気味の男子生徒。とりあえずそんな図式を思い浮かべつつ、発表の日を待ちたいと思います。


〈余談1〉個人的な話になりますが。高校まで、柏市の学校に通っていました。小金高校や東葛飾高校に進んだ同級生もいます。今も連絡を取っている小金高校の卒業生と今回の件について話したとき、彼女は小金高校を選んだ理由についてこう言いました。
「先生には東葛を勧められたけど、小金にした。制服だと毎朝着る服を考えなくて楽だから」
制服が好きな理由の上位に必ずあがる「面倒くさくないから」という項目は、昔も今も変わりがないようです。


〈余談2〉先日、高校時代のらくがきノートを見つけました。「高等学校制服総覧・関東編」と称して、制服のイラストが解説付きで描いてありました。高校生の頃から何やってるんだという話ですが、まあ『制服図鑑』の原型のようなものです。「関東編」と大きく出ながら、たったの18校。しかもほとんど柏市周辺の高校ばかりというしょぼさが泣かせます。小金高校のイラストもありましたが、なぜかロングスカートに丈詰め気味のブレザーという、ヤンキー風のスタイル。そういう学校ではなかったけれど、誰かモデルがいたのかもしれません。

ちなみに18校のイラストの中で、今も制服の基本デザインが変わっていないのは、県立柏南高校と、私の母校県立柏高校だけ。気がつけば柏南のセーラー服は35年、柏のブレザーは40年にもなるんですね。制服を変える必要がないというのは、学校にとっても生徒にとっても良いことです。これからも、大切にしてほしいと思います。

Posted: 日 - 5 月 24, 2009 at 09:01 午後          


©